お家づくりに役立つ情報を発信しています。
真壁工法とは?メリット・デメリットや魅力を紹介
真壁工法とは、古来から日本の建築に使われてきた工法の一つです。この工法では、壁が構造体の一部となるため、柱や梁(はり)などの木材が室内から直接見え、開放感があり、木のぬくもりを感じることができます。具体的には、柱と柱の間を土壁で塞ぐことで、壁自体が建物の一部となり、構造的な強度を持つことが特徴です。
真壁工法の最大の特徴は、そのデザイン性にあります。日本の伝統的な建築技法である真壁工法は、豊かな表現力と木のぬくもりを活かした空間作りを可能にします。特に、開放感ある空間や和の雰囲気強化、デザイン性や重厚感を出すのに向いています。また、自然素材との相性が良く、木を多用することで室内の空気も良くなります。
しかし、その一方で、真壁工法は大壁工法に比べて施工が難しく、また壁が薄いため断熱性が落ちるというデメリットもあります。このため、真壁工法を採用する場合には、予算やライフスタイル、住んでいる地域の気候などを考慮する必要があります。
真壁工法はどのような家に向いているのでしょうか?また、真壁工法を採用する際にはどのような流れで設計や施工を行うのでしょうか?以下では、真壁工法のメリット・デメリットや向いている家、設計や施工の方法などについて詳しく解説します。
目次
真壁工法とは?
真壁工法は、古来から日本の建築に使われてきた工法の一つです。この工法では、壁が構造体の一部となるため、柱や梁(はり)などの木材が室内から直接見え、開放感があり、木のぬくもりを感じることができます。具体的には、柱と柱の間を土壁で塞ぐことで、壁自体が建物の一部となり、構造的な強度を持つことが特徴です。
真壁と大壁の違いとその特徴
これに対して、現在の住宅では一般的な大壁工法では、柱や梁の間を石膏ボードなどの薄い壁で区切るため、室内から構造体を全く見ることができません。このため、大壁工法では部屋全体の広さを最大限に活用することができますが、真壁工法のような開放感や、木のぬくもりは感じられにくくなります。
真壁工法の最大の特徴は、そのデザイン性にあります。木の柱や梁が見えるため、和風または古民家風・和モダンな雰囲気を出すことができます。また、部屋全体を統一感のあるデザインでまとめることが可能なため、高級感や重厚感を出すこともできます。
しかし、その一方で、真壁工法は大壁工法に比べて施工が難しく、また壁が薄いため断熱性が落ちるというデメリットもあります。このため、真壁工法を採用する場合には、予算やライフスタイル、住んでいる地域の気候などを考慮する必要があります。
真壁工法のメリット
真壁工法には以下のようなメリットがあります。
開放感のある空間を作れる
真壁工法では、柱や梁が露出するため、空間全体が一体感を持ち、部屋の間仕切りがなくオープンな印象を与えます。また、部屋を大きく見せる効果もあります。
木のぬくもりを感じられる
真壁工法では、木材をそのまま壁に使用するため、その質感や香りを直接感じることができます。これにより、木材特有の温かみや安心感を感じる空間が作られます。
無垢の木材が呼吸することで、湿度が高い時は湿気を吸収し、低い時は放出するので湿度コントロールをしやすく、年中快適に過ごしやすくなります。
ある意味、木造住宅を最大限に満喫できる工法と言えます。
和の雰囲気が強く出る
真壁工法は、日本の伝統的な建築手法であるため、和風の雰囲気が特に強く出ます。木材の質感や、漆喰との組み合わせにより、落ち着いた雰囲気を演出することができます。
デザイン性や重厚感を出せる
壁に柱や梁が露出する真壁工法は、木材の美しさや質感を活かしたデザインが可能です。また、木材の質感や量感により、上品で重厚な空間を演出することができます。
漆喰や塗り壁と相性がいい
真壁工法では、自然素材の漆喰や塗り壁との相性が良いです。これらは湿度調整や防湿、調湿効果に優れているだけでなく、自然光を柔らかく反射し、心地良い空間を作ることができます。
室内の空気がおいしい
真壁工法では、木材や漆喰などの自然素材を使用するため、化学物質の放散が少なく室内の空気が清浄に保たれます。また、木材には自然の香りがあり、心地よい室内環境を作ることができます。
真壁工法のデメリット
真壁工法には以下のようなデメリットもあります。
壁が薄くなるため断熱性が下がる
真壁工法では、壁の内外に柱や梁が露出しているため、壁の厚みが一般的な工法に比べて薄くなります。その結果、壁の断熱性が下がるというデメリットがあります。具体的には、寒い季節に外部からの冷気が家の中に進入しやすく、逆に暑い季節には室内の冷気が外に逃げやすくなる可能性があります。
しかし、それは一方で、外部との熱交換を通じて自然のエネルギーを活用するというエコロジーの観点からも見ることができます。また、適切な断熱材を用いることで、断熱性の問題をある程度補うことが可能です。
施工に手間がかかる
真壁工法は、特殊な技術を要するため施工には時間と手間がかかります。また、木材を直接見せるデザインとなるため、木材の選定や加工、仕上げにも細心の注意が必要です。これらの作業は、一般的な工法に比べて時間とコストを要する場合があります。
ただ裏を返すと、手間をかけることが、真壁工法ならではの美しい仕上がりと質感です。その手間が詰まったクラフトマンシップは、一般的な工法では得られない魅力を持っています。
化粧材が必要となりコストがかかる
真壁工法では、柱や梁が室内に露出するため、それらの木材自体が化粧材となります。そのため、良質な木材を使用する必要があり、そのコストは一般的な内装材に比べて高くなる可能性があります。また、木材の美しさを引き立てるための塗装や仕上げもコストがかかる点です。
その分、自然素材の温もりと美しさが生活空間全体に広がり、長い目で見れば住む人の心地よさや満足度を高める価値のある投資と言えるのではないでしょうか。
真壁工法が向いている家は?
和風や古民家風のインテリアを好む方
真壁工法はその本質的な特性上、和風や古民家風のインテリアに非常に適しています。木材を特徴的に使うことで、自然と和風の趣を醸し出し、家全体に落ち着きと安らぎを感じさせます。また、真壁工法を採用することで、モダンな要素を取り入れつつも、伝統的な和の美しさを保つことが可能です。
柱や梁のデザイン性や重厚感を楽しみたい方
真壁工法は、木材の柱や梁が目立つ造りになっています。それらを活かしたデザインは、空間に深みと重厚感を与えます。また、木材本来の美しさや質感を最大限に活かすことができるので、木材の風合いや質感を楽しみながら生活することが可能です。
木の触感や香りでリラックスしたい方
真壁工法を採用すると、自然な木の触感や香りを室内で感じることができます。木材特有のぬくもりや心地よい香りは、リラックス効果があり、日々の生活を落ち着いたものにしてくれます。また、木材から放出されるマイナスイオンは空気を清浄化し、健康促進にも寄与します。
天井を高くして圧迫感をなくしたい方
天井を高くして圧迫感をなくしたい方にとって、真壁工法は構造上、天井を高くすることが容易です。天井高を上げることで広々とした空間を作り出すことができ、圧迫感を軽減することが可能です。さらに開放的な空間は、自由な発想や創造性を刺激することから、QOL(生活の質)向上にも最適と言えるのではないでしょうか。
真壁工法の設計について
真壁工法の設計では、まずは自分の理想の住まいのイメージを明確にすることが重要です。どのような雰囲気やデザインにしたいか、どのような間取りや機能性にしたいかなど、細かく希望を伝えることができれば、設計者もそれに沿ってプランを作りやすくなります。
また、真壁工法は柱や梁が見えるため、それらの木材の種類や色合い、形状なども重要な要素となります。木材は無垢材や集成材などさまざまな種類がありますが、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。
例えば、無垢材は自然素材であるため呼吸する性質がありますが、反りや割れなどの変形も起こりやすいです。集成材は無垢材を接着剤で接合したものであるため変形しにくいですが、接着剤による化学物質の放散が気になる場合もあります。木材の種類によってもコストや耐久性も異なります。そのため、自分の好みや予算に合った木材を選択することが大切です。
さらに、真壁工法では壁自体が構造体となるため、壁の厚みや位置も重要なポイントと
なります。壁の厚みは断熱性や耐震性に影響しますし、壁の位置は部屋の広さや間仕切りに影響します。そのため、壁の厚みや位置は設計者と相談しながら決める必要があります。
真壁工法の設計では、以上のような点に注意しながら自分の理想の住まいを作り上げていきます。設計者は真壁工法に精通したプロである必要があります。真壁工法は一般的な工法と異なるため、その特徴や注意点を把握しているプロに依頼することをおすすめします。
真壁工法の施工について
真壁工法の施工では、設計したプランに沿って木材や土壁などの素材を組み立てていきます。施工には職人の技術や経験が必要となります。真壁工法は一般的な工法と異なるため、その特徴や注意点を理解している職人に依頼することが大切です。
真壁工法の施工では、以下のような手順で行われます。
1.基礎工事
真壁工法では、基礎にも木材を使用する場合があります。その場合、基礎には防腐剤や防水処理を施す必要があります。また、基礎と柱の接合部には金物を使用することで、耐震性や耐久性を高めることができます。
2.柱や梁の組み立て
真壁工法では、柱や梁が室内に見えるため、それらの木材の選定や加工には細心の注意が必要です。木材は無垢材や集成材などさまざまな種類がありますが、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。木材の種類によってもコストや耐久性も異なります。
そのため、自分の好みや予算に合った木材を選択することが大切です。 柱や梁は、木材同士を金物や釘で接合する方法や、木材同士を組み合わせる方法などさまざまな方法があります。それぞれにメリット・デメリットがありますが、一般的には金物や釘を使用する方法は耐震性や耐久性が高く、木材同士を組み合わせる方法は見た目が美しく自然な印象が強くなります。
3.壁の施工
真壁工法では、壁は土壁で柱と柱の間を塞ぎます。土壁は自然素材であるため呼吸する性質がありますが、湿気やカビに弱いというデメリットもあります。そのため、土壁には防湿・防カビ処理を施す必要があります。
また、土壁は割れやすいため、補強用の網などを入れることで強度を高めることができます。 土壁は、土と水と繊維質の素材(麻やわらなど)を混ぜて作ります。土壁の色や質感は、使用する土の種類や配合比によって変わります。土壁は手作業で柱と柱の間に塗りつけていきます。この作業は職人の技術やセンスが問われる重要な作業です。
4.仕上げ
真壁工法では、仕上げにも自然素材を使用することが多いです。例えば、漆喰や塗り壁などです。これらは湿度調整や防湿・調湿効果に優れているだけでなく、自然光を柔らかく反射し、心地良い空間を作ることができます。
また、色や質感も自由に選ぶことができます。 仕上げには、木材の塗装や仕上げも含まれます。木材の塗装や仕上げは、木材の美しさや質感を引き出すだけでなく、防腐・防虫・防水などの効果もあります。木材の塗装や仕上げには、オイルやワックスなどさまざまな種類がありますが、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。
例えば、オイルは木材の質感を生かすことができますが、色あせや汚れに弱いです。ワックスは色あせや汚れに強いですが、塗り重ねると厚くなります。そのため、自分の好みや予算に合った塗装や仕上げを選択することが大切です。
真壁工法のメリット・デメリットまとめ
真壁工法は、壁内に構造体を隠さないため、室内の空間を最大限に活用できます。今では一般的な大壁工法では、壁の内側に柱や梁があるため、それらが部屋の天井高を抑えてしまうことがあります。しかし、真壁工法ではこれらの構造体が壁の表面に露出しているため、その分天井を高くすることが可能となります。
高い天井は、圧迫感を軽減し、開放的な空間を作り出す効果があります。特に、小さな部屋でも天井高を確保すれば広く感じることができます。また、天井が高いと換気もしやすくなるため、室内の空気が新鮮でいられます。
また、真壁工法では、壁に使用する素材によっては天井のデザインにも自由度が増します。例えば、無垢材を使えば木目の美しさを活かしたデザインが可能で、塗り壁を選べば色彩や質感を楽しむことができます。
だからこそ、真壁工法は、和モダンなどデザインを重視したい方や、天井を高くしたいという要望を持つ方々にとって魅力的な選択肢と言えるでしょう。ただし、難易度が高い施工技術となりますので、実際の施工には経験豊富な専門業者に依頼することが何より重要です。
まずは、真壁工法を得意とする工務店などへ問い合わせることをおすすめします。
施工難易度や予算など制約もありますが、真壁工法による理想のデザインがある中で、何を軸にして家づくりを進めていくのかなどしっかり打ち合わせをしてみてください。
三重県の工務店・諸戸アイサン住拓について
諸戸アイサン住拓は、設立35周年を迎える、「三重の木」や自然素材にこだわった三重県の工務店。この度、設立35周年を記念して、「諸戸の町家」をさらにデザイン性を高めて「諸戸の町家ネオ」とリニューアル。
上質でおしゃれな暮らしを実現。和モダンな町家風の注文住宅が得意です。もちろん今回取り上げた真壁の住宅や流行りの平屋も手掛けます。お客様のご要望やご予算、理想の住まい像をお聞きしながら、住み心地の良いこだわりの家づくりをしています。家づくりのプロのスタッフが、施工完了後も丁寧にサポートいたします。
お問い合わせの際は、「諸戸の町家ネオ」と【メッセージ本文】にご記入ください。
また、ホームページでは、見学会やイベント情報、施工事例を随時更新中!こちらもチェックしてみてください。
「諸戸の町家ネオ」のInstagramも更新中。Instagramで「moroto_machiyaneo」と検索!
【施工対応地域】※下記以外にも対応いたします。お気軽にご相談ください。
三重県(桑名市・木曽岬町・川越町・朝日町・四日市市・鈴鹿市・菰野町・東員町・いなべ市など)、愛知県(名古屋市・弥富市・津島市・愛西市・海部郡・あま市・清須市・稲沢市・北名古屋市・岩倉市・小牧市・春日井市・一宮市・江南市・丹羽郡・犬山市・津島市・尾張旭・瀬戸市・長久手市・東郷町・日進市・みよし市・豊明市・豊田市・刈谷市・阿久比・東海市・大府市・知多市・高浜市・常滑市・知立市・安城市など)、岐阜県(海津市・輪之内町・養老町・大垣市・羽島市・瑞穂市・笠松町・岐南町・岐阜市・各務原市)